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読書感想文「明るい夜に出かけて」佐藤多佳子

明るい夜に出かけて 佐藤多佳子

 

 

 

この本は現代ならではの青春小説だろう

この話にはSNSやラジオ、アメーバピグ、ニコニコ、ツイキャス等が出てくる

そういったものを通じて人間関係の形成や崩壊が起こるのは現代らしいと言える

今でこそマッチングアプリSNSからの出会いというものは一般化しているが、

いつからこういった事が一般化するようになったのかはわからない

そしてこの本のあとがきが2016年夏

その時私が何をしていたか覚えてもいない

おそらくゲームを呼吸を止めながら集中してやっていたことだろう

今でこそSNSで発信したり配信したりしているが、当時はネットは怖いものという認識だった

そんな中でネットに手を引いてくれた友人には頭が上がらない

とりあえずその友人には感謝を

 

 

この物語の概要と感想

 

ラジオのはがき職人として有名だった主人公富山

他人との接触が非常に苦手

大学に入ってできた彼女からの接触を拒絶してしまいネットで晒された

それが原因で晒されて大学を休学し、コンビニの夜勤をやりながらラジオを聞いて生活している

ラジオを聴いていても心に負った傷からはがき職人として復帰できないまま

 

ある夜、いつものようコンビニで仕事をしていると富山が好きなラジオ番組の特別な缶バッジを2個もつけた少女に出会う

そこから物語が加速していく

 

同僚で歌い手の鹿沢

JKで深夜ラジオのはがき職人の佐古田

元同級生の永川

 

この3人との交流がネットとリアルで起こっていく

それに最初は乗り気でないけど徐々に仲良くなっていく主人公

触発される主人公

 

主人公は流されて生きているような描写が多い

その描写が僕は人間っぽくてすごく好きだ

いかにも若者っぽい

でもしっかりと最後は自分の道を自分で見つけて生きていく

所々、流されるだけじゃなく

しっかりとした決断ではないけれども

一歩踏み出すように思えたところはとてもステキで残酷に思えた


佐古田(バッジ女子)は文化祭で劇をやった

そのタイトルが「明るい夜に出かけて」

この本のタイトルとなかなかどうして一緒である

その劇を見た主人公は触発される

ここでももうかなりのネタバレだと思う

でも一言だけ言わせてほしい

何かをすごい熱で作っている人って

やっぱりそれを見た人も作りたくなってしまうんじゃないかな

これは最近感じて落ち込んで考えたことの一つでもあってタイムリーに感じた

 

イムリーといえば

僕は最近朝井リョウさんの「何者」を読んだわけだが

今回読んだ「明るい夜に出かけて」の文庫版で解説を書いていたのがその当人で

ぺらっとめくって思わず笑ってしまった

こんなことってあるんだなぁと

運命なんじゃないかって思った

そんなものがあればきれいだろうけど

 

 

最後に

僕も何か書いてみようかなって思って今書いています

それは本に触発されたり

人に触発されたり

場所に触発されたり

自分のものではないかもしれないけれど

やってみるだけやって楽しむことがいいんじゃないかなって

こういう形でも伝えることで義務感が生まれるのは嫌いだけど

今回は伝えてでも完成させたいって気持ちの方が強い

このブログを読んでくれる人が何人いるかわからないけれど、

承認欲求がないなんてきれいごとを言えなくなったけど

いいでも悪いでも何も言わずでも僕が消える時まで付き合ってくれると嬉しい、です

 

それでは